牧場の1日
酪農の仕事の基本は、毎日の搾乳、餌やり、清掃、哺乳、育成です。
わたなべ牧場では、一連の作業を1日3回行っています。
搾乳
○『パーラー』(搾乳作業をする場所)に牛を移動させて、『ミルカー』(牛の乳首につけて搾乳する機械)を使用して搾乳をします。
○パーラーは常に人が立った状態で作業しやすい構造になっていますので、腰への負担がとても少ないです。
○ミルカーを装着する前に、人の手で乳首の消毒・汚れの拭き取り・乳質の確認を行います。
○どんな作業においても機械化が進んでいますが、特に搾乳作業では、まず人が乳房に触れて目で確認することがとても重要です。乳質には、体調の変化がよく現れます。なるべく早い段階で不調を見付けて処置を行えば、重症化を防ぐことができます。
餌やり
○ミキサー(餌をかき混ぜて細かくし掃き出す機械)に餌の材料を入れ、トラクターで引いて給与します。
○餌の材料は主に牧草と、トウモロコシなどを含んだ配合飼料、サプリメント等です。メニュー表にそって計量しながら作ります。
○牛たちに美味しいミルクを沢山出してもらうためには、元気な体を作ってもらう必要があります。どのエサをどの比率で与えるかで、牛の体作りだけでなく、ミルクの量や質にも多大な影響を与えます。
清掃
○スコップ、ほうきでベッド上の掃除をした後、石灰で消毒をします。すべての糞尿をホイールローダーで集め、乾燥・発酵させ、ベッドの敷料に再利用したり堆肥として利用します。
○毎搾乳後、パーラーを水で掃除します。ミルカーは洗剤を使っての自動洗浄を行います。
○牛たちに健康的でストレスを与えない様に過ごしてもらうには、出来る限り牛舎を清潔に保つ必要があります。何より、食品を扱う場所ですので、牧場全体を清潔に保っておくことはとても大切です。
哺乳・育成
○生後2週間ほど哺乳瓶での哺乳を行い、その後、離乳までは機械による自動哺乳を行っています。
○後継牛は生後6ヶ月頃から北海道の育成牧場で過ごします。
○子牛からの成長期間は、将来の健康で丈夫な体をつくるために大切な時期です。特に、哺乳期間の子牛は病気になりやすいため、衛生面にも気を配りながらしっかり観察することが重要です。